- 通勤で高速道路を使うから、平日でも使える割引き制度ってないかな。
- できるだけ通勤のコストを抑えたい。
- ETC割引の設定って難しいのでは?
地方の医局に所属していると、通勤で高速道路を使っている方も多いでしょう。高速道路には、平日の通勤割引もあることご存知でしたか。
恥ずかしながら私がその制度を知ったのは、医師6年目になった頃です。
平日のETC割引は誰でも申請できて、手続きも一度設定してしまえばあとは簡単。割引価格も33%OFFになるので使わない手はありません。
この記事では、ETC割引の適応条件と、設定方法について解説。読んで頂ければ、通勤費をかなり抑えることができます。
ETC割引の種類
ETC割引には以下のものがあります。
- 平日割引
- 夜間割引
- 休日割引
- レーン割引
- パック割引
ETC割引は利用する時間帯や期間、利用頻度によって割引率が異なるため、自分に最適な割引制度を選択することで、効率的に利用費用を節約できます。
平日朝夕割引
平日の利用に限り、高速道路の通行料金が約30%割引となる割引制度です。平日のうち、特定の時間帯に利用することで割引の対象になります。
夜間割引
深夜から早朝までの時間帯に高速道路を利用する場合に適用される割引制度です。各高速道路会社によって異なる時間帯が設定されており、最大50%割引となる場合もあります。
休日割引
土日祝日に高速道路を利用する場合に適用される割引制度です。平日と比較して通常30%の割引となります。最大50%割引となる場合もあります。
ETC2.0割引
ETC2.0割引は、ETCカードの新しい仕様であるETC2.0を利用した割引のことです。ETC2.0は、従来のETCカードに比べて高速道路料金所の通過がスムーズになるとともに、より多くの情報をやり取りできるようになった新しい技術です。
ETC2.0割引では、高速道路の利用料金が従来のETCカードよりも割引されることがあります。また、ETC2.0によって、より詳細な運行情報や渋滞情報を提供することも可能です。
ただし、ETC2.0割引を利用するには、ETC2.0対応のカードリーダーが必要であり、ETC2.0対応車両であることも条件となります。ETC2.0割引を受けるためには、事前にETC2.0対応のETCカードを取得する必要があります。
パック割引
一定期間内に指定された高速道路を何度か利用する場合に適用される割引制度です。期間や割引率は各高速道路会社によって異なりますが、車種や時間帯によって割引率が変わる場合もあります。
平日朝夕割引で最大33%OFF
ETC割引の中でも休日割引は特別な設定が必要がないので、広く知られています。対して平日割引は自分で申請しないと適用されません。「知らなかった」という方も、少なくないのではないでしょうか。
平日割引の正式な呼称は「平日朝夕割引」です。平日にETCカードを利用した場合に適用されます。通常よりも安い料金で高速道路を利用することができます。
利用回数に応じて30-50%還元
休日割引はその場で30%OFFとシンプルな割引制度ですが、平日朝夕割引はかなり複雑です。平日朝夕割引が適用されるまでの流れを以下にまとめました。
- 所定の時間帯に割引対象区間を利用
- 1ヵ月間の利用回数を集計
- ETCマイレージとして翌月20日に付与
毎月1日から月末までを一区切りにして、割引対象となるETC利用回数を集計。利用回数と還元率をもとに還元額が決まります。
1ヵ月間の利用回数 | 還元率 |
4回以下 | 0% |
5-9回 | 30% |
10回以上 | 50% |
翌月20日になるとETCマイレージとして還元される仕組みです。
ETCマイレージはETC利用料に使える
平日朝夕割引として付与されたETCマイレージ。これはETCの利用料にそのまま使うことができます。このときに設定は必要なく、ETCマイレージを保有した状態でETCを利用すると、そのままETCマイレージが消費されます。
注意点としては、ETCマイレージを利用した走行分は平日朝夕割引の対象にならないということです。平日朝夕割引の最大還元率は50%ですが、実質は利用料の33%OFFとなります。
ややこしいので実際に数字を用いて説明します。
- 4月の平日にETCを20回、合計1万円支払い
- 5月20日にETCマイレージを5,000円分獲得
- 5月20日以降に5,000円分のETC利用(無料)
割引なしなら1万5,000円分の通行料が、1万円の支払いで利用できたことになり、33%の割引率となります。
還元されたETCマイレージを利用している間は、還元率を決める月間の利用回数の対象にもカウントされません。
平日朝夕割引が対象のETC利用
平日割引は、土・日・祝日や夏期・年末年始などの特定の期間は適用されません。朝夕という名前の通り、利用することのできる時間帯が決まっています。
また利用対象のエリアにも制限があり、都心部では利用することができません。
平日の朝6-9時、夕17-20時までに高速道路を利用
平日朝夕割引の時間帯は、通常は平日の朝6時から9時までと夕方17時から20時までです。高速道路によっては異なる場合があります。詳細は、利用する高速道路の料金案内等でも確認することができます。
割引の対象となるためには、この時間帯の料金所通過が必要です。乗り降りはどちらでも構いません。
例えば朝5時50分に乗って、9時10分に降りた場合は、対象時間に高速道路を利用しているにも関わらず、割引の対象外となります。
都心部ではETC割引の対象外
ETC平日朝夕割引の対象は、NEXCO東日本/中日本/西日本の3社が管理する地方の高速道路です。次のエリアでは割引の対象外となります。
東京近郊
東北道(川口JCT~加須)、常磐道(三郷~谷田部)、関越道(練馬~東松山)、東関東道(湾岸市川~成田)、新空港道、東京外環道、東名高速(東京~厚木)、新東名高速(海老名南JCT~厚木南)、中央道(高井戸~八王子)、京葉道路、第三京浜道路、横浜新道、横浜横須賀道路、圏央道(茅ヶ崎JCT ~久喜白岡JCT )、新湘南バイパス(茅ヶ崎海岸~藤沢)
大阪近郊
名神高速(大津~西宮)、新名神高速(城陽~八幡京田辺JCT、高槻JCT~川西)、中国道(中国吹田~西宮北)、 近畿道(吹田~松原)、阪和道(松原~岸和田和泉)、西名阪道(天理~松原)、 京滋バイパス(瀬田東~久御山淀)、第二京阪道路(鴨川東~門真JCT)、堺泉北道路、南阪奈道路
ETC平日朝夕割引の申請方法
最大33%OFFはお得ですし、特段のデメリットもありません。しいて言えば申請の手間くらいでしょうか。ETC平日朝夕割引を利用するためには、ETCマイレージサービスへの登録が必要です。
ETCマイレージサービスとは
ETCマイレージサービスとは、ETCカードの利用に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントを高速道路利用料金の支払いに利用できるサービスです。
ETCマイレージサービスに加入することで、より効率的にETCカードを利用し、割引やポイント還元を受けることができます。
公式サイトから新規登録

ETCマイレージサービスには、ネットと郵送の2通りの登録方法があります。ネットでの新規登録が便利でしょう。ETCマイレージサービスの公式サイトから以下の手順で新規登録手続きを行います。
- 利用規約確認
- メールアドレス入力
- 仮登録の完了
- メール内の本登録用URLへ
- 本登録の完了
本登録には以下の情報が必要です。
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- 車載機管理番号
- 車両番号
- ETCカード番号
- ETCカードの有効期限
車載機管理番号は車載機の証明書に記載されています。
平日朝夕割引の注意点
平日割引を利用するにあたり、以下の点に注意が必要です。
上限回数は朝夕1回ずつ
平日朝夕割引が適用されるのは、朝夕の時間帯それぞれ1回ずつ、1日に2回までです。
該当するケースはあまりないと思いますが、1日に数回高速道路の乗り降りを繰り返すケースでは、最初の1回しか割引の対象になりません。
月に4回以下は対象外
平日朝夕割引は基本的に通勤割引を想定しています。月に4回以下の利用では、ETCマイレージは還元されません。
朝夕それぞれ1回ずつカウントされているので、普段の通勤に使う分には、すぐに最大値50%の還元率の条件を満たすはずです。
100km超過分は対象外
1回の走行距離が100㎞を超える利用のケースは、100km以上の分は還元の対象外となります。
まとめ
ETCの平日朝夕割引について解説しました。
普段の通勤で高速道路を利用している方なら、33%OFFとなる非常にお得な制度ですので、ぜひご検討下さい。
その他、医師の経費削減につながる情報もまとめておりますので、ご参考頂けますと幸いです。

