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【2023年改訂】勤務医におすすめの医師賠償責任保険はどれ?申込先を徹底比較

  • 医師賠償責任保険は加入するべき?
  • 保険料を最安に抑えるにはどこで頼めばいいの?
  • 自分の境遇に適した保険を選びたい!

皆さんは医師賠償責任保険に加入していますか?医療訴訟による賠償金額は多額になりがちで、過去には何億円という判例も存在します。既に加入している先生方も多いことでしょう。

医師賠償責任保険と一言で言っても、契約先は数多くあります。そして実は、契約先によって保険料には大きな違いがあるのです。

同じ補償内容ならできるだけコストの安いものがいいですよね。この記事では医師賠償責任保険について各契約先における保険料を徹底比較。読んで頂ければ最適なプランを見つける一助になるでしょう。

Dr.うーろん

ポイ活・節約に勤しむ勤務医うーろんです。私も卒業後大学から斡旋された保険に加入していましたが、調べてみるともっとお得なプランがあることが分かり民間医局の保険に乗り換えました。

年齢や補償内容によって、おすすめの契約先は変わります。それぞれの状況に応じてまとめてみました。

30歳以下
1億円の補償額
日本医師会
卒後5年は15,000円
31歳以上
1億円の補償額
各種学会または民間医局
40,660円/41,660円
2億円以上の補償額民間医局
47,710円

医師生活のコスト削減のためにも、ぜひご活用ください。

医師賠償責任保険は本当に必要?

医師賠償責任保険は医師が訴えられた際に、賠償金を補償してくれる保険です。

種別は損害保険。医師による医療行為が原因で患者の容体が悪化するなど、患者に損失を与えたことで、損害賠償責任を求められた場合に補償されます。

補償額は100万円~3億円

補償額は契約先によっても取扱いが異なりますが、100万円から数億円をカバーするプランもあります。

100万円のプランは日本医師会の免責事項をカバーする意味合いが強く、メインの保険は1億円以上のプランを検討することになります。

補償範囲は賠償金だけではない

医師賠償責任保険では、法律上の損害賠償金を補償。それだけでなく、プランによっては、争訟費用(敗訴した場合に医師が負担)や弁護士費用も補償してくれます。

医師賠償責任保険の補償対象外となる医療行為

次の医療行為は補償の対象外です。

  • 重大な過失がある場合
  • 美容医療の一部
  • 海外での医療行為

なお、美容医療専用の賠償責任保険もあります。

加入率は7割以上

勤務医を対象としたアンケートでは、7割以上の医師が医師賠償責任保険に加入していると回答。

実は病院側でも病院賠償責任保険に加入しており、医療機関で生じた損害賠償責任も保障してくれることになっています。

しかし、最近では、病院だけでなく個々の医師も同時に訴えられる事例が増えています。その結果、病院の賠償責任保険だけでは全てを保障できない場合があるのです。

このような背景から、医師個人による医師賠償責任保険の契約件数は増えているのです。

医師賠償責任保険の引受保険会社は3社

医師賠償責任保険の申込先

医師賠償責任保険は損害保険の一つですが、加入者は基本的に医師のみ。一般的な損害保険と比べると、加入者数も限られています。

そのため、医師賠償責任保険を取扱う引受保険会社は大手の3社のみです。

  • 東京海上日動火災保険株式会社
  • 損害保険ジャパン株式会社
  • 三井住友海上火災保険株式会社

ただ皆さんには、医師会や学会など様々な団体から保険の申込書が届くと思います。引受会社は同じでも、申込先となる代理店や団体はたくさんあるのです。

代理店や団体経由で使える団体割引

代理店や団体を介して医師賠償責任保険に加入すると、団体割引が受けられます。割引率はほとんどの申込先で20%OFFです。申込先の違いで変わる数字ではありません(一部15%のところもあります)。

Dr.うーろん

多くの保険のパンフレットに「団体割引で20%OFF」と大々的に掲載されていますが、実はどこで申し込んでも一緒なのです。

東京海上日動に直接申し込んだ場合と、民間医局のプランを比較してみました。

1事故/期間中民間医局個人契約
1億円/3億円41,660円50,820円
2億円/6億円47,710円64,460円

割引されていることが分かります。

医師賠償責任保険の申込先はたくさんある

医師賠償責任保険の申込先には次のような団体があります。

  • 日本医師会
  • 各種学会
  • 病院個別
  • 各大学医学部の同窓会
  • 民間医局

引受保険会社は結局同じでも、契約内容は申込先によって変わります。保険料にも差が出てくるので、どこ経由で申し込むかは重要な問題です。

それぞれの学会については、カイトーや銀座エージェンシーなど代理店が仲介。同じ代理店でも学会によっては、異なるプランを用意しているところもあります。

医師が適切な保険金額を選定するためのポイント

医師賠償責任保険を選ぶときのポイント

医師賠償責任保険を選ぶ際に見るべきポイントは次の3点です。

  • 支払限度額
  • 保険料
  • 免責事項

支払限度額は1億円では足りない?

支払限度額は、保険会社がいくらまで補償金を支払ってくれるかという金額です。1事故あたりと保険加入期間中でそれぞれ設定されています。

多くの申込先で1事故あたり1億円が採用されていますが、2億や3億円のプランを提供しているところもあります。

もちろん現在の働き方のリスクにもよりますが、過去の判例を遡ると1億円以上の損害賠償金が発生したケースもあります。より安心感を得たいなら2億円のプランも選択肢でしょう。

日本医師会経由で申し込む保険では、1事故あたり1億円のプランしかありません。ただし任意で加入できる特約保険では、1事故あたり3億円までカバーすることができます。

保険料

実際に支払う保険料ですが、同じ補償内容・補償範囲でも申込先で変わります。次の頁で各境遇別のおすすめの保険を解説します。

免責事項に注意する

日本医師会経由で加入する保険には、100万円以下の損害賠償金については保険金が支払われないという免責事項が付いています。

100万円以下の損賠賠償にも対応するには、他の申込先で1事故あたり100万円の支払限度額の保険に別途加入が必要です。4,000円前後で提供されています。

各種学会の保険や民間医局の保険では、免責事項はなく最初から100万円以下の損害賠償金もカバーしています。

その他気にする点

産業医特約や弁護費用特約は申込先によって、元から含まれていたり、オプションとして追加料金がかかったりします。

保険料徹底比較|おすすめの保険は年齢で変わる

医師の条件別のおすすめの医師賠償責任保険

各申込先の保険料を支払限度額別にまとめます。

大学同窓会や病院団体の保険は各種学会経由の保険と内容が似ているため、一つにまとめて比べてみました。

30歳以下(支払限度額1億円)の保険料は日本医師会が安い

日本医師会の保険は年齢により保険料が変わるため、30歳以下と31歳以上で分けます。

30歳以下の保険料

1事故/期間中日本医師会各種学会民間医局
100万円/300万円4,000円
5千万円/1.5億円32,310円
1億円/3億円39,000円
卒後5年は15,000円
40,660円41,660円
2億円/6億円51,570円47,710円
3億円/9億円特約保険62,400円53,360円

日本医師会ではもともと研修医に対して、会員減免措置として15,000円で1事故あたり1億円のプランに加入できました。2023年度より減免措置の適応が拡大。医学部卒業後5年目まで15,000円で利用することができます。

1億円の支払限度額でよければ、30歳以下の医師は卒後5年目まで日本医師会経由の申込が最安です。

日本医師会への入会には、地元の医師会での手続きが必要です。以下のページで全国の医師会HPのリンクが探せます。

≫地元の医師会を探す(日本医師会公式サイト)

日本医師会経由で申込むデメリットは手続きの煩雑さです。また6年目以降は医師会の年会費が発生するため、乗り換える際にはまた手続きが必要となります。

手続きに時間をかけたくなければ、民間医局経由の申込みがおすすめです。申込みから更新などすべてネット上で完結することができます。

民間医局の保険の詳細はこちら

31歳以上(支払限度額1億円)の保険料は各種学会か民間医局

31歳以上になると、日本医師会経由の保険料が上がります。

31歳以上の保険料

1事故/期間中日本医師会各種学会民間医局
100万円/300万円4,000円
5千万円/1.5億円32,310円
1億円/3億円68,000円
卒後5年は40,000円
40,660円41,660円
2億円/6億円51,570円47,710円
3億円/9億円特約保険62,400円53,360円

卒後5年であれば減免措置で40,000円にはなりますが、免責事項なども考えると、31歳以上の1億円の支払限度額のプランは各種学会・民間医局がおすすめです。

支払限度額2億円以上なら民間医局が安い

日本医師会で通常加入している保険の支払限度額は1億円です。特約保険として追加保険料を支払えば3億円までのプランもあります。

このときの保険料の計算はやや複雑ですが、概ね2万円上乗せされるようです。

1事故あたり2億円以上の支払限度額のプランであれば、民間医局経由で保険料が安くなります。

民間医局の医師賠償責任保険の魅力

民間医局の医師賠償責任保険のメリット

31歳以上または1事故あたり2億円以上の支払限度額のプランであれば、民間医局の保険料は魅力に感じます。

もちろん民間医局は保険の代理店であり、引受保険会社は三井住友海上です。他と比較して支払いが悪いということはありません。

保険料以外にも民間医局の保険には以下のメリットもあります。

  • 免責事項がない
  • 手続きがWebで完結
  • 訴訟費用を補償
  • 産業医業務を補償

31歳以上かつ1事故あたり1億円支払限度額のプランでは、どこから申し込んでも保険料は4万円前後ですが、このメリットを考えると有力な選択肢となるでしょう。

民間医局の保険は、民間医局への会員登録が必要です。登録・利用料は無料。下記のボタンから申し込めます。

民間医局の保険の詳細はこちら

免責事項がない

日本医師会では免責事項として100万円以下の損害賠償金が支払われませんでしたが、民間医局の保険では、免責金は0円です。

手続きがWebで完結

民間医局に会員登録すれば、民間医局のサイトで保険の手続きがすべて完了します。

  • 新規申込
  • 領収書発行
  • 加入者証確認
  • 更新

書類への記入・押印や郵送手続きも煩雑な作業ですので、Web上で完結するのは大きなメリットです。

訴訟費用を補償

民間医局の保険は弁護士への報酬や、訴訟費用も保障の対象です。

産業医業務を補償

産業医活動には医師賠償責任保険では保証されない医療行為以外の活動もあります。そこで不測の事故が生じた場合は「産業医・学校医等の嘱託医活動賠償責任保険」という別の損害保険が必要です。

日本医師会の保険では産業医特約もカバーしていますが、オプションで追加費用がかかる申込先もあります(例えば日本外科学会経由で申し込む場合、追加5,000円が必要)。

民間医局の保険には産業医・学校医等の嘱託医活動賠償責任保険が自動付帯しています。

民間医局は保険以外にも魅力あり

民間医局は本来医師専用の求人サービス。業界最高水準の求人数を誇ります。これから転職を考えている方はもちろん、スポットバイトを探している方にもおすすめです。

民間医局に会員登録すると、民間医局の医師賠償責任保険以外にも以下のサービスを受けることができます。

  • 医学書が最大12%OFF
  • 福利厚生サービス「メディ割」
  • DOCTOR’S MAGAZINEが購読無料

民間医局のサービスについて下記記事でまとめていますので、ご参考ください。

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まとめ

おすすめの医師賠償責任保険について解説しました。2023年度から日本医師会の会員費の設定が大きく変わります。卒後5年目までは日本医師会に入会が、保険料が安くておすすめです。

  • 1事故あたり2億円以上の補償額のプランで申し込みたい
  • 31歳以上である

どちらかに該当する方は民間医局の保険料も魅力的です。民間医局に会員登録すると、他にもメリットがあります。

民間医局に会員登録するメリットについては、下記記事もご参考ください。

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