この記事は、毎年確定申告の度に方法を忘れる筆者のための備忘録的なページです。ただ「勤務医の方には共通する部分も多いかも」と考え、記事にしてみました。
初めて確定申告をする方や、今年からe-Taxに変更する方の参考になれば幸いです。
医師のライフハック情報を発信しているうーろんです。2024年からマイナポータル連携に源泉徴収票も対象になると聞いて、今回実際に導入しています。
確定申告ページに移動する
e-Taxによる確定申告は国税庁のホームページから行えます。
新規作成は左を、昨年のデータや作業途中のデータがある場合は右を選択します。
提出方法を選びます。マイナンバーカードを用意しておくと圧倒的に便利です。私はICカードリーダーがあるので、真ん中を選びました。
申告する税金の種類を選びます。ほとんどの方は、一番左の所得税の申告を選ぶことになるでしょう。事業所得があり青色申告する場合は、2番目の決算書・収支内訳書を選びます。
事業所得!憧れます。
マイナポータル連携の事前準備
マイナポータル連携は2020年分の確定申告から始まった制度です。事前準備で連携しておくと、様々な入力が省略されます。
2020年分から | 2021年分から | 2023年分から |
住宅ローン関係 | 医療費 | 社会保険料 |
株式等の取引関係 | ふるさと納税 | 源泉徴収票 |
生命保険控除 | 地震保険控除 | iDeco・小規模企業共済年金 |
2023年分の確定申告から、源泉徴収票の情報も対象となるとのことで、今回から導入してみました。
マイナポータル連携の注意点
実際に使ってみた感想を一言で表すなら「まだ発展途上」。もっと連携した瞬間に様々な情報が一発で紐つけられるかと想像していましたが、それぞれのサービスに連携する手間が結構あります。
対象となってないサービスも多い
生命保険控除を利用しようとしましたが、私の加入している保険会社は連携していませんでした。ふるさと納税でも楽天はあるのですが、マイナビふるさと納税はなし。
住宅ローンの残高も、独立行政法人住宅金融支援機構のみ。すべての企業と連携されるには、まだまだ時間がかかるようです。
手続きが意外と煩雑
マイナンバーで自動で情報を取得してくれればいいのですが、各企業と連携の手続きが必要です。結局証券番号や企業サイトへログインしなければならず、この辺は返って面倒と感じました。
一度連携すれば、来年以降は簡単になるのではないかと期待しています。
即時で連携ができない
これもストレスでした。各企業への連携を申請したあと、1−3営業日ほど待つことになります。確定申告をするのにやっとの思いで高めたやる気が、みるみるうちに霧散しました。
源泉徴収票は勤務先が提出していないと連携されない
源泉徴収票も申請したのですが、1週間待っても音沙汰なし。よくよく確認してみると、勤務先が源泉徴収票情報をe-Taxで提出する必要があるとのこと。
500万円以上の給与所得という勤務先の提出基準もあるので、すべての源泉徴収票が一括取得できるのは、まだまだ先になりそうです。
将来的には、複数のバイト先のある医師にとって、画期的な制度となるでしょう。
マイナポータル連携の手続きの実際
※マイナンバーカードを作成しておく必要があります。
画面下の事前準備をクリックするとデジタル庁のページに移動します。
ログインしてはじめるを選択します。
PCで行う場合は、Googleの拡張機能をダウンロード。有効化する必要があります。
私はICカードリーダーでログインしてみました。
マイナポータルのアプリが起動。
取得したい証明書などの選択をします。証明書の取得にはマイナポータルと各種外部サービスを連携させる必要があります。
e-Taxはいきなりメンテナンス中でした。時間を置くとすぐに開通。
以前にe-Taxを使用したことがあるを選択(初めての方すみません)します。
連携状況をみると注意マークがまだ出ている。クリックすると、e-Taxのページに移動。情報取得が可能となります。
e-私書箱とアカウント連携は即完了。
ふるさと納税、生命保険、地震保険、住宅ローンなども各企業とも連携。
各企業のサイトで電子交付サービスの利用者登録を行った後、e-私書箱連携を行います。
既に利用者登録が完了している方は、マイナンバーカードを読み取り連携してください。
「お手続きのご案内」ボタンが表示された企業は、利用者登録が完了していないため、連携が完了していません。電子交付サービスの利用者登録を行った後、あらためて連携を行います。
確認に1-3営業日かかります。とりあえず即日で連携できた情報はありませんでした。余裕をもった作業が必要です。
これ普通に登録する方が早いのでは…
数日後に再度連携状況を確認すると、医療費・ふるさと納税・地震保険・証券口座は手続きが完了していました。
住宅ローン・源泉徴収票はe-Taxのメッセージボックスを確認してくださいとあります。確認しましたが、届いておらず。勤務先がマイナ連携申請していないということでしょうか。
確定申告ページで申請書を作成
マイナポータル連携の事前準備も済んだので、改めて確定申告書作成コーナーから入力を進めていきます。
ポチポチしていくと、認証画面へ。ここでもマイナンバーカードを使うので用意しておきます。
前年に作成した確定申告データがあれば、それを読み込んだ上でマイナポータルとの連携も可能です。
ここでマイナポータル連携するかどうかを聞かれます。連携可能な情報の一覧が表示されるので、必要なものをチェックして次に進みます。
このときに家族の分についても表示があります。家族の代理人設定をしておけば、子どもの医療費も算出してくれます。医療費控除に便利か?と思いましたが、子供医療費助成金で支払わなかった分は差し引く必要があるようです。結局自動ではできず、断念しました。
これで事前準備は終了です。マイナポータル連携しない場合も、ここから始まります。
STEP1 所得の入力
確定申告の第一段階では、所得の入力を行います。まず給与所得以外の収入(株式譲渡益とか雑所得とか)があるかどうかで選択します。
給与所得の入力
複数の勤務先から源泉徴収票をもらっている場合は、最もつらい作業です。前年のデータを読み込むと、勤務先の住所データが引き継がれます。
株の譲渡益・配当所得を入力
私は株の売買益と配当所得両方あります。
楽天証券とマイナポータル連携させたので、株式の譲渡益が自動出力されました。そのままでは先に進めず、一度開いて確認する必要はあるようです。
なおマイナポータル連携でなくても、xmlファイルを楽天証券からダウンロードしてくることで、確定申告書に反映することができます。
毎年総合課税か申告分離課税の選択で迷います。配当控除がなければ(医師としての給与所得がそれなりなら該当)、分離課税を選択。一律20%の税率となりま
配当金はそもそも税が抜かれているので、申告は不要です。売買益との損益通算を行う場合は、申告する必要があります。
配当所得はxmlデータありません。年間支払通知書を参考に、特定口座(源泉徴収あり)以外は入力フォームVer5.0に入力します。
雑所得の入力
給与所得や金融所得以外の所得がある場合に入力する項目です。馴染み深いものだと、ポイ活で獲得したポイントも該当します。
STEP2 控除の入力
保険やふるさと納税による控除を入力します。
地震保険・生命保険・iDecoなど
各企業から届いた書類をもとに入力。マイナポータル連携で自動化できるものもあります。私の場合は地震保険が可能でした。
ふるさと納税
楽天ふるさと納税で還元率を高めていると、ふるさと納税回数がとんでも無いことになります。私も今年は50回以上寄付しました。
今回はマイナポータル連携したので、一発で入力されました。マイナポータル連携しなてくも、楽天ふるさと納税のページから事前にxmlファイルをダウンロードすることができます。
申請から1−3日程度要しますので、早めに手続きしましょう。
ちなみに件数が多い場合は、まとめて入力しても良いと国税庁からのアナウンスもあります。
支出した寄付金の金額にふるさと納税の合計金額を入力し、寄付先の名称に〇〇市ほかと入力すればOKです。
2021年分は私もこれで登録しましたが、とくに問題はありませんでした。
住宅ローン控除
住宅ローン控除は他の控除と違い、税額控除となるので、別ページで入力します。
税務署から交付された、年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書が必要です。
前年の確定申告で「翌年分以降に年末調整又は確定申告でこの控除を受ける際に利用する書類が必要ですか?」にはいと答えると、次年度以降に使えます。
私にはこれが非常に分かりにくかったです。
受付システムからマイナンバーカードでe-Taxでログインが可能です。書類はメッセージ一覧ではなく、通知書一覧にあります。年末残高は手入力していきます。
住民税の手続き
扶養親族を入力します。これも前年のデータが引き継げます。住民税の徴収方法を自分で納付を選択。副業バレをしたくない方は普通徴収一択です。
ここでの特別徴収か普通徴収かの選択は、あくまでも給与所得以外に係る住民税です。普通徴収の方が、支払い方法を工夫できるのですが、基本は特別徴収とされています。
これで確認画面へと移ります。お疲れ様でした。
確定申告の支払い|キャッシュレス納税がおすすめ
還付金がある場合は、振込口座を設定します。残念ながら納付が必要な場合は、以下の方法から納付方法を選びます。
- 振替納税
- ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
- インターネットバンキングやATMで納付
- クレジットカード納付
- スマートフォンアプリ納付
- QRコードを利⽤したコンビニ納付
- 窓口納付
手間がかからないのは、振替納税です。銀行口座を登録するだけで終わります。ただそれでは少々もったいないです。
最もお得にという観点であれば、スマホアプリ納付がおすすめ。納付額に対してポイントが貯まります。
クレカ決済でもいいのですが、こちらは手数料が発生しポイント還元と相殺されてしまいます。対してスマホ決済であれば、手数料無料。ポイント還元分がまるまるもらえるのです。
スマホアプリ納付も色々あるのですが、注目はAmazon Payです。2024年時点での還元率を考えると、Amazon Payが最も優秀と言えます。
私も2024年分は還元ではなく納付でした。実際にAmazon Payで支払い、マリオットボンヴォイのポイントを貯めています。
まとめ
2024年の確定申告について実際の過程を記録してみました。マイナポータル連携については、まだまだ発展途上ですが、より提携先が増えていけば、間違いなく手続きは簡単になるでしょう。
現状でも自宅にいながら作業できるのでe-Taxのメリットは大きいと思います。医師は複数の勤務先から給与が発生し、確定申告の対象者となる方も多いと思いますので、ご参考いただければ幸いです。
初歩的な質問で恐縮なのですが、製薬会社から座長や演者を頼まれた際に受け取った謝礼額が記載されている「支払調書」は、「給与所得の入力」欄でバイト先の源泉徴収票と共に入力して確定申告する…という認識で合っていますでしょうか?
源泉徴収票なら給与所得、支払調書なら雑所得になるようですね。
https://advisors-freee.jp/article/category/cat-big-01/cat-small-01/195/#:~:text=%E6%94%AF%E6%89%95%E8%AA%BF%E6%9B%B8%E3%81%8C%E9%80%81%E3%82%89%E3%82%8C,%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%99%E3%82%8B%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82&text=%E9%9B%91%E6%89%80%E5%BE%97%E3%81%AE%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%AB,%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%EF%BC%89%E3%80%8D%E3%82%92%E9%81%B8%E6%8A%9E%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82