- 医学書を持ち運ぶのは面倒、電子書籍版の使い心地ってどうなの?
- 自炊と電子書籍サービスで違いは?
- m3.com電子書籍と医書.jp、どちらの電子書籍サービスがおすすめ?
医学書は紙媒体派?それとも電子書籍?私が研修医の頃は紙の本が主流でしたが、今は医学書も電子書籍が普及しています。
いざ電子書籍版の医学書を買おうと思うと、選ぶべきサービスがたくさんあり、迷うことが多いですよね。
この記事では、おすすめの電子書籍サービス「m3.com電子書籍(旧M2プラス)」「医書.jp」を解説。紙の書籍や自炊(PDF化)との比較した実感もお伝えします。
医師のポイ活を攻略中のうーろんです。稼いだポイントを医学書の購入費に使えるサービスもあります。
これから医学電子書籍の購入を検討している方は、ぜひご参考ください。
紙の医学書 vs. 電子医学書
医学書を本ではなく、電子データとして管理するメリットは大きいです。医学電子書籍は多忙な医師こそ利用したいサービスといえます。
紙の書籍のメリット・デメリット
紙の書籍は言うまでもなく、ページをめくる感覚や視覚的に情報を把握しやすい点にメリットがあります。
- 直感的な読書体験
- 目の疲れが少ない
- 書き込みやマーカーの自由度
- デジタルデバイスからの解放
長時間の読書でも自然な光の下で読めるため、目に優しいです。デジタルデバイスからの疲労を避けることができ、リラックスした状態で勉強できます。
勉強する際にも、直接の書き込みやハイライトが簡単にできます。電子書籍でも様々なツールが開発されていますが、情報整理の手軽さは、紙の書籍には遠く及びません。
一方で紙の書籍には以下のデメリットもあります。
- 重さとサイズ
- 保管スペースの必要
- 検索の手間
医学書は大きく重いため、持ち運びが不便。とくに通勤・通学時に複数の書籍を持ち運ぶのは大変です。書籍を保管するためにも、大きなスペースが必要とし、自宅や職場の本棚を圧迫します。
目次や索引を使って情報を探すのに、紙の書籍では時間がかかるのもストレスです。
電子医学書のメリット・デメリット
電子書籍で医学書を利用するメリットについて考えてみます。
- 携帯性
- 高速検索
電子書籍の一番のメリットはその携帯性です。複数の書籍を一つのデバイスに保存でき、持ち運びが非常に便利。タブレットやスマホさえあれば、どこでも多くの情報にアクセスできます。
キーワード検索機能は、一部のアプリでますます使いやすくなっています。とくに大量の資料から特定の内容を瞬時に抽出できる横断検索機能は、非常に便利です。
一方で電子書籍のデメリットは以下の通りです。
- 目の疲れ
- デジタルデバイス依存
- 情報の過剰
長時間の画面使用による目の疲れや集中力の低下は課題です。ブルーライトの影響で睡眠の質が下がることもあります。
当たり前ですが、デバイスが故障すると電子書籍は利用できません。バッテリー切れやネットワークの問題が学習の妨げになることも。
デジタル環境では情報が多すぎて、逆に集中力が散漫になるリスクもあります。
紙媒体と電子書籍は用途で使い分ける
紙の医学書と電子医学書は、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。
携帯性や検索の利便性が高い電子書籍は、忙しい仕事中の利用に最適な一方、「勉強はやっぱり紙の本でないとしっくりこない」という方も多いでしょう。
これらの特徴を理解し、自分の学習方法に合わせて両方の書籍を使い分けることが重要です。紙の医学書を安く購入する方法は、下記記事でも紹介しています。
電子書籍サービス vs. 自炊PDF化
医学書をデータで管理する方法には、最初から電子書籍版を購入する方法と自炊(PDF化)の二つがあります。
二者のメリット・デメリットを比較してみました。
自炊 メリット | 電子書籍サービス メリット |
書き込みが自由自在 利用端末制限がない あらゆる医学書に対応 売却が可能 | 検索機能が優秀 購入してすぐに使える セールが多い アップグレード版がある |
自炊 デメリット | 電子書籍サービス デメリット |
検索機能の誤作動 取り込む作業が面倒 売却が手間 | 書き込み機能の制限 利用端末制限 取扱いのない医学書 売却不可 |
自炊する場合は、自分で紙媒体の医学書を購入してきてスキャナーで取り込むために、手間がかかります。その手間の分、取り込んだデータはPDFとして利用することができ、書き込みなどの自由度が高いことが特徴です。
一方で、電子書籍版は購入してからすぐに使えるので、時間のない方におすすめです。
電子書籍サービスのメリット・デメリット
電子医学書籍サービスは、信頼性の高いデジタルコンテンツを手軽に入手できるが魅力です。
- 正規のデジタルコンテンツを購入可能
- 著作権者の許諾を得たコンテンツ
- 充実した検索機能
- 最新版への更新が容易
- 専用アプリで操作が迅速
専用のリーダーアプリは操作性が高く、快適な読書体験を提供します。とくに強力な検索機能が備わっており、効率的な調査・学習にも最適です。
最新の情報に基づいて内容を更新するのも簡単です。医学は常にアップデートされるもの。最新の研究やデータにアクセスできるのは大きなメリットです。
正規のルートで提供されるため、著作権侵害の心配がありません。
電子書籍サービスで気になる点もあります。
- 書き込み機能の制限
- 利用端末制限
- 取扱いのない医学書
- 売却不可
専用のリーダーアプリによる操作のため、書き込み機能の自由度は、PDF化した自前の書籍に劣ります。
電子書籍サービスで提供していないマイナーな医学書は、そもそも購入することができません。
自炊(PDF化)のメリット・デメリット
手持ちの書籍をデジタル化することで、デバイス上で閲覧可能なります。スペースを取らず、持ち運びも便利な点は電子書籍サービスと同じです。
- 書き込み自由度の高さ
- 個人利用の範囲内であれば著作権問題なし
- PDFリーダーで多くのデバイスに対応
必要な部分だけをスキャンするなど、自由度が高さがメリットです。取り込んだあともPDF編集ソフトを使えば、自由に書き込みすることができます。
自分でスキャンして個人的に使用する分には、著作権侵害の心配はありません。ほとんどのデバイスでPDFリーダーが利用できるため、互換性が高い点も魅力です。
一方でデメリットは取り込みの手間が挙げられます。
- 初期投資のコスト
- スキャンや編集作業に時間がかかる
- 最新情報の更新が困難
スキャナーや裁断機の購入など初期投資が必要。決して安いとは言えない金額です。
自分の手で丁寧にスキャンすれば、高品質なPDFを作成できますが、その分時間と手間を必要とします。
スキャンした書籍は固定された情報です。電子書籍サービスのように割安価格での更新はできません。最新の医学情報を常に得るには不向きです。
医書.jp vs. m3.com電子書籍(旧M2PLUS)
電子書籍サービスは多くの企業から提供されています。その中でも「医学書」に特化した2つのサービス、医書.jpとm3電子書籍(旧M2PLUS)を中心に解説します。
医学書の電子書籍版を提供するサービス
医学書が電子書籍として読めるサービスの一覧です。
サービス名 | 提供 |
m3.com電子書籍 | 株式会社エムスリー |
医書.jp | 医書ジェーピー株式会社 |
Kindle | Amazon |
Kinoppy | 紀伊国屋書店 |
mediLink | メディックメディア |
KnowledgeWorke | 丸善雄松堂株式会社 |
メディカルブックセンター | 株式会社メテオ |
VarsityWaveeBooks | 株式会社大学生協事業センター |
電子書籍業界にはAmazon Kindleや楽天koboなど大手企業も参入し、ほとんどの書籍が電子版で読むことができます。
Kindleでも医学書を取扱っており、価格も安いのですが、医学書の蔵書がまだまだ十分とはいえません。
医学書の電子書籍で業界最大級のサービスを展開するのは、m3.com電子書籍と医書.jpの二社です。2つのサービスを比較してみます。
m3.com電子書籍(旧M2プラス)は医学電子書籍サービスの先駆け
m3.com電子書籍は、もともとM2PLUSという名前のサービス。2002年に株式会社ジェイマックスシステムによりリリースされ、蔵書13,000冊、取引先の医療系出版社60社と業界最大規模を誇ります。
その後事業をエムスリー社に買収され、2024年2月よりM2PLUSの名前もm3.com電子書籍に刷新されました。
m3.comは医療従事者専用の情報サイト。記事の閲覧でポイントが貯まり、医師であれば月5,000円も目指せます。
m3.comで貯めたポイントがm3.com電子書籍の購入費に使えます。m3.comは以下の記事でも解説していますので、ぜひご参考ください。
医書.jpは医学書院系列の電子書籍サービス
医学書の電子書籍に特化したサービスとして、医書.jpは有名です。医書.jpは蔵書1万8,000冊以上と、取扱書籍の充実度ではm3.com電子書籍にも勝ります。
医書.jp
医学書院を中心とする医療系出版社5社によって設立された「医書ジェーピー」社が運営。2014年サービス開始。
医書.jpはCareNet.comのポイントの交換先にも登場。1pt=1円として、電子書籍の購入に使えます。
医書.jpについてのさらに詳しい解説は下記記事もご参考ください。
操作性のm3.com電子書籍|書き込み自由度の医書.jp
m3.com電子書籍と医書.jp、2社のサービスの比較をまとめました。
m3.com電子書籍 | 医書.jp | |
操作性 | アプリ専用に改編 | やや読み込みがゆっくり |
自由度 | 書き込みが他端末に反映されない | 書き込みが同期される |
取扱書籍数 | 1万3,000冊以上 | 1万8,000冊以上 論文もある |
検索機能 | 串刺し検索が便利 | 動作がやや遅い |
端末利用制限 | 3台 | 5台 |
ともに豊富な書籍数、使いやすいアプリが用意されており医学電子書籍を閲覧するツールとして優秀です。ただ細かい使い心地の部分で、違いもあります。
操作性能は素早く動くm3.com電子書籍に軍配
m3.com電子書籍では、アプリ専用に改編された電子書籍版(アプリ版)が用意されています。端末にダウンロードすればオフラインでも利用することができ、アプリ上で素早く操作可能です。
医書.jpもアプリ上で動かせますが、比べると動作がやや遅く感じるときがあります。
医書.jpでは医学書への書き込みが同期可能
両者とも医学書への書き込み機能を有しており、医学書を自分用に作りこんでいくことができます。医書.jpでは端末間での書き込み情報の同期が可能です。
一方、m3.com電子書籍は書き込みには制限があり、アプリケーション版ではマーカーを引くなど簡単な操作しかできません。また端末間での同期にも非対応です。
取扱書籍数は医書.jpに軍配
「医書ジェーピー」は医学書院が中心となって発足した会社です。医学書院の医学電子書籍は医書.jpでのみ購入することができます。
医書.jpでは書籍だけでなく、論文単位や号単位で医学雑誌も販売しています。合計すると蔵書数は1万2,000冊以上。この数はm3.com電子書籍に勝ります。
m3.com電子書籍の検索機能が優秀
紙の本にはない電子書籍の魅力に、書籍間の横断検索(串刺検索)があります。キーワードに対して複数の医学書から情報を拾ってくるの機能です。
m3.com電子書籍の串刺検索は使いやすく、調べ物にかかる時間を短縮することができます。医書.jpの検索も十分に機能しますが、やや動きが遅いです。
m3.com電子書籍は忙しいときの調べものに有用
2つのサービスの特徴を考慮すると、
m3.com電子書籍
外来や救急、ICUなど時間のないときにサッと調べたい
医書.jp
勉強時にゆっくり読み込みたい
上記のようなニーズによって使い分けられると思います。
サービスの規約上、ともに利用できる端末数に制限があります。もっと自由に色々な端末で利用したいという方には、自炊(PDF化)も選択肢です。導入のハードルさえクリアすれば、書き込みの自由度なども格段に上がるので、検討の余地はあるでしょう。
医学書を電子データで使ったことがないという方にも、上記二社のサービスがおすすめです。「電子書籍って思っていたのと違った」という事態を避けられます。
口コミ・レビュー
最後にm3.com電子書籍と医書.jpについて、実際に使った方々のレビューを紹介します。
m3.com電子書籍ユーザーの声
T先生(30代・内科医)
「m3.com電子書籍は操作性がとても良いです。急なカンファで必要な文献をサクッと検索できて、大変助かっています。」
S先生(40代・外科医)
「専用のアプリがあるので、いつでもどこでも参照できるのが便利。また、m3.comでのポイント還元がお得感がありますね。」
M先生(20代・泌尿器科医)
「セット売りでのお得な購入方法や、科研費での購入オプションは、経済的にも助かっています。」
医書.jpユーザーの声
Y先生(50代・皮膚科医)
「医書.jpの最大の魅力は、医学書への書き込み機能。研究やカンファの際に自分のノートとして利用しています。」
N先生(30代・麻酔科医)
「医書.jpは取扱書籍数が豊富。特定のテーマや疾患に特化した書籍もしっかり揃っていて、専門医としては非常にありがたい。」
I先生(40代・産婦人科医)
「m3.com電子書籍も使用していますが、書き込みの自由度では医書.jpが上。特に症例検討時に重宝しています。」
医学電子書籍のおすすめ購入方法
医学電子書籍なお得な購入方法をまとめました。
- クーポンやセールを活用する
- 月額定額サービスの検討
- 自炊であれば裁断済みのものを探す
- 医師のポイ活を利用する
定期的にクーポンやセールをチェックすることで、お得に購入できます。とくに新年度の変り目である3-4月はキャンペーンが開催されやすい傾向です。キャンペーン期間中にまとめて購入すると、コストを大幅に節約できます。
医書.jpやm3.com電子書籍では月額定額サービスも提供しています。月に何冊も購入する方は、検討の余地があるでしょう。
医学書をスキャンしてPDF化する場合は、裁断済の書籍の購入も選択肢。既に裁断された書籍は割安で手に入ることが多く、デジタル化も容易です。
医書.jpではケアネットポイントが、m3.com電子書籍ではm3ポイントが電子書籍の購入に利用できます。
医師のポイ活では月3万円相当のポイントも現実的な数字です。
獲得したポイントなら、気兼ねなく書籍代に充てることもできます。
まとめ
紙の書籍と電子書籍、電子書籍サービスと自炊PDF化、それぞれのメリットとデメリットを解説しました。
とくに医学電子書籍サービスを検討している方は、医書.jpとm3.com電子書籍がおすすめ。2つのサービスは購入してすぐに使えるので、医学書の電子版を試してみるのにピッタリです。
一方で書き込み機能については自炊+PDFの方が自由度が高いです。ただ書籍を取り込みに手間がかかるので、手軽に購入して書き込みも充実させたい方には、医書.jpもおすすめです。
自分の学習スタイルやニーズに最適な方法を選択することが重要です。電子書籍の購入方法や安く手に入れる方法を活用して、効果的な学習環境を整えましょう。